こんにちは。このブログの管理者
ゆるーりすと のぴまゆです。
このブログはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を利用しています。
それではゆるーりとご覧ください。
こんな方におすすめ
- 認知症の家族を介護している方
- 認知症や終末期医療に関心のある医療・介護職の方
- 医療・看護・福祉を学んでいる学生
- 自分や家族の今後を考えたい一般の方
目次
■「カリフォルニアから来た娘」が意味するものとは?
「先生、母はもっと治療できたのではないですか?」
遠方から突然現れたご家族の言葉に、私たちは戸惑うことがあります。
今回ご紹介するのは、日経メディカルに掲載された記事「認知症の終末期、注意すべきは『カリフォルニアから来た娘』…?」。
高度の認知症患者の終末期における、家族の対応の難しさに焦点をあてた記事です。
私自身、この記事を読みながら、レビー小体型認知症だった母のこと、緩和ケア病棟で出会った数々の患者さんとそのご家族のことを思い出さずにはいられませんでした。
■「カリフォルニアから来た娘症候群」とは?
記事によれば、「カリフォルニアから来た娘症候群」とは、これまで介護に関わってこなかった遠方の親族が、終末期に突然現れ、現場の方針を覆そうとする現象を指します。
たとえば、患者本人や介護を担ってきた家族が穏やかな看取りを望んでいるにもかかわらず、「もっと治療をしてほしい」と訴えるケースです。
このとき、その家族は「否認」や「怒り」の段階にあることが多いとされます(キューブラー・ロスの死の受容モデルより)。
■ACPの大切さと、家族の「揺れる心」
認知症の終末期では、患者自身が意思表示できなくなることも多く、家族の意向が重要になります。
だからこそ、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)をできるだけ早い段階で始めておくことが望まれます。
-
-
アドバンスケアプランニング(ACP)って何?
こんにちは。このブログの管理者 ゆるーりすと のぴまゆです。 このブログはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を利用しています。 それではゆるーりとご覧ください。 こんな方におすすめ A ...
続きを見る
しかしそれでも、すべての家族が同じ温度で「死の受容」ができるわけではありません。
遠方の家族ほど、「自分だけ何もできなかった」という罪悪感が入り混じり、感情の爆発となって現れることもあるのです。
■私の実体験:母の介護、そして現場での戸惑い
私の母もレビー小体型認知症で、終末期を迎えました。
日々変化する母の状態を目の当たりにしながら、「何が母にとって幸せなのか」と自問自答し続ける日々でした。
実際に介護にあたっていたのは姉でした。
私はサポートに回りましたが、姉はほんとうに大変だったと思います。
私自身が看護師で認知症患者の実態は把握できていたので、たまに会う母の状態を受け入れることは難しくありませんでした。
しかし、これが医療者でない場合、それは困難を極めるかもしれません。
-
-
あなたは緩和ケアに興味がありますか?母の命日を迎え思うこと
こんにちは。このブログの管理者 ゆるーりすと のぴまゆです。 このブログはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を利用しています。 それではゆるーりとご覧ください。 母の命日を迎えて思うこ ...
続きを見る
また、実際に緩和ケア病棟でがんと認知症を併せ持つ患者さんと関わる中でも、何度か「遠方から来た家族」の存在に頭を悩ませたことがあります。
「どうして今さら、そんなことを…」と、看護師として思ったこともありました。
でも、そうした感情の裏にある「後悔」や「取り戻せない時間」が、どれほどその人を苦しめているのかも理解できるようになりました。
■斎藤如由先生の姿勢に学ぶ
2017年、西九州大学での在宅ホスピスの学会で、久留米の斎藤如由先生の言葉が印象に残っています。
先生は「そのような家族が現れたとき、私は『私が説明します』と一歩引き受けるのです」と話されました。
当時の講演を聞いてのアメブロ記事が残っています。
その言葉を聞いて、私ははっとしました。
本来なら関わりたくないと思ってしまいがちな“一見やっかいに思える”家族に、あえて説明役を買って出る。
その背景には、患者の尊厳を守りたいという強い覚悟があるのだと感じました。
■寄り添う覚悟と、支えるということ
患者の傍らにいた家族の思いも、遠方から来た家族の混乱や悲しみも、どちらも尊重されるべき感情です。
大切なのは、判断や正しさを押しつけることではなく、その想いをまず「聴くこと」
医療者としてできることは、感情に寄り添いながら、ゆっくりと最期の時間をともに歩む支援をすることだと、あらためて感じました。
■あなたはその時どうしますか?
皆さんは、大切な人が終末期を迎えたとき、何を一番大事にしたいですか?
今、元気なうちにこそ話し合えること、できる準備があるかもしれません。
ACPについて、そして家族のかかわりについて、考えるきっかけになればうれしいです。
-
-
ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の普及と課題~令和4年意識調査の結果から~
こんにちは。このブログの管理者 ゆるーりすと のぴまゆです。 このブログはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を利用しています。 それではゆるーりとご覧ください。 こんな方におすすめ A ...
続きを見る
■まとめ
認知症の終末期に限らず、「遠方の家族」の対応に戸惑う場面は、医療や介護の現場で多く見られます。
その中で、どの立場の家族の気持ちも置き去りにしないために、私たち医療者には“説明し、聴く”姿勢が求められているのだと感じています。
あなたの大切な人の「最期の時間」が、その人らしく、安らかなものでありますように。
今日もゆるーりとね💕