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- 家族看護学の成り立ちに興味がある。
- 家族看護学を学んで活用したい。
目次
はじめに:3世代が集まる家族の価値
先日、義母の77歳の喜寿を祝い、家族全員が一堂に会する時間を過ごしました。
3世代が集まる機会は減少している今、家族のつながりを実感できる瞬間は非常に貴重です。
一方、看護師としての視点から、この経験は「家族」の存在を改めて考えるきっかけとなりました。
かつて看護学では、家族は患者の背景として捉えられることが多かったのですが、現在では患者の家族そのものが看護の対象となっています。
そこで今回は、私が看護学士取得の際に学修成果レポートで取り上げた「家族看護学」について、その基礎と重要性をお伝えします。
1. 家族看護学の誕生とその背景
家族看護学とは
家族看護学は、患者の家族を看護の対象とし、家族全体の健康を支えることを目的とした学問です。
この分野の発展には、戦後の家族制度の変化や社会的なニーズの変化が深く関わっています。
社会的背景
家族形態の変化
戦後の民法改正による家制度の廃止、高度経済成長期以降の核家族化、少子高齢化社会の到来などにより、家族の形態は大きく変化しました。
野々山(2007)1)は、家族の形態が「直系性家族」から「合意制家族」へと移行したと指摘しています。
これは、家族成員が自律的にライフスタイルを選択する時代へと移行したことを示しています。
日本における家族看護学の発展
1970年代に北米で誕生した家族看護学(Family Nursing)は、日本でも1980年代から注目されるようになり、高齢化社会の進展に伴って必要性が高まりました。
1994年には日本家族看護学会が発足し、研究の蓄積が進んでいます。
2. 家族の定義と看護における役割
家族の定義
家族看護学では、家族を「患者を支える存在」であり、「看護の対象」として捉えます。
木下(2002)2)は、家族を以下のように定義しました。
①保育や介護などのケア機能を持つ集団。
②社会的関係を持ち、常に変化・発展する集団。
③血縁や同居に限定されない、家族と自覚する人々の集まり。
家族の機能
フリードマンは、家族の機能を以下の5つに分類しました。
①情緒機能
家族間での愛情や支え合い。
②社会化機能
家族成員が社会的役割を学ぶ場。
③ヘルスケア機能
健康的なライフスタイルを維持し、健康問題に対応する力。
④生殖機能
新たな生命を迎える役割。
⑤経済的機能
家族の生活基盤を支える役割。
特にヘルスケア機能は、看護実践において重要であり、健康問題に直面した際に家族全体がどのように対処するかが注目されています。
3. 家族看護の目的とアプローチ
家族看護の目的
家族看護の目指すところは、家族全体の健康を支え、セルフケア機能を高めることにあります。
鈴木(2019)3)は次のように述べています。
・家族が発達課題を達成する能力。
・健康的なライフスタイルを維持する能力。
・健康問題に対処し、解決する能力。
看護のアプローチ
家族看護は、患者という個人を入り口に、家族全体を対象として実施されます。
その中で、家族のセルフケア機能を見極め、健康を促進するための介入が求められます。
4. 家族看護学の重要性と現代社会での役割
現代社会のニーズ
・高齢化と在宅ケア
高齢社会において、在宅ケアが推進されています。
この場面では、患者だけでなく、ケアを担う家族の支援が重要になります。
・多様な家族形態への対応
婚姻関係にないパートナーや遠縁の親族など、従来の家族像にとらわれない支援が求められる場面が増えています。
・家族看護学の未来
家族看護学は、社会の変化に伴い、患者と家族双方を支える看護学の中心的な存在として発展を続けています。
家族看護学の視点を持つことで、個人のケアだけでなく、家族全体の健康を促進し、社会全体の健全性を高めることが可能となります。
まとめ:家族を支える看護の力
今回の家族看護学の解説を通じて、家族という存在を改めて看護の対象として捉えることの重要性をお伝えしました。
次回の記事では、具体的な家族看護の事例や、現場での実践方法について掘り下げていきます。
これからも「家族看護学」を通じて、看護師の視点から家族と社会をつなぐ考え方を発信していきます。
引用文献
1)野々山和也(2007).現代家族のパラダイム革新-直系性家族・夫婦制家族から合意制家族へ-,東京大学出版会,p.81
2)木下由美子(2002).家族を看護する、大分県立看護科学研究3(2)、p.55-56
3)鈴木和子・渡辺裕子・佐藤律子(2019).家族看護学-倫理と実践-第5版、日本看護協会出版会.
今日もゆるーりとね💕