こんにちは。このブログの管理者
ゆるーりすと のぴまゆです。
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それではゆるーりとご覧ください。
こんな方におすすめ
- がん患者さんのケアに関わる看護師さん
- 緩和ケアに関心がある看護学生さん
- 現場で疼痛ケアに悩んでいる方
目次
はじめに
今回は、院内で開催された緩和ケア認定看護師さんによる勉強会に参加してきました。
テーマは「がん疼痛の評価とマネジメント」。
日々の看護の中で、「痛みが取れない」「何を使えばいいか悩む」といった場面に直面することはありませんか?
そのようなモヤモヤの解決に役立つ内容を、ブログでもシェアしたいと思います。
1. がん疼痛とは?
そもそも痛みとは版のでしょうか。
痛みとは主観的症状であり、患者本人しかわからないものであること。
定義としては「不快な感覚・情動体験」とされ、数値化が難しい主観的現象です。
がんに伴う痛みは、「侵害受容性疼痛」「神経障害性疼痛」「心理的苦痛」が絡み合っていることが多く、単純な「痛み止め」では対処できないケースもあります。
認定看護師さんは、まず[痛みの種類を見極めること」の重要性を強調されていました。
✅ ポイント
侵害受容性疼痛:骨転移や内臓の圧迫による鈍い痛み
神経障害性疼痛:しびれや焼けるような痛み、チクチクとした痛み
心理的苦痛の影響:不安や抑うつも痛みを増強させる要因
🧠補足ポイント
記録する場合は、痛みの情報とともに、痛みの種類をアセスメントすることが重要ですね。
2. 評価の基本:「痛みの可視化」が第一歩
患者さんの「痛い」という主観をいかに把握するか――そこで使うの痛みスケール(NRS、VASなど)です。
痛みの評価ツール
ツール名 | 特徴 | 使用場面 |
---|---|---|
NRS(Numerical Rating Scale) | 「0〜10」で痛みの強さを数値化。「0=痛みなし」「10=我慢できないほどの最大の痛み」 | 最も一般的、発語可能な成人に使用 |
VAS(Visual Analogue Scale) | 10cmの直線の上で痛みの強さをマーク。数値ではなく視覚的に把握 | 説明が可能な場合に有効、研究や評価ツールとして使用されることも |
VRS(Verbal Rating Scale) | 「痛くない・少し痛い・とても痛い」などの言語による段階的表現 | 高齢者や数字の理解が難しい場合に使いやすい |
臨床での質問テンプレート(OPQRSTという評価方法)
O(Onset):いつから?
P(Provocation/Palliation):何で悪化・軽減?
Q(Quality):どんな痛み?
R(Region/Radiation):どこに?広がる?
S(Severity):どのくらいの強さ?
T(Time):どんな経過?
3. マネジメントの基本:WHO方式が基本
WHOのがん疼痛治療の3段階除痛ラダー
ステップ | 対応薬剤 | 例 |
---|---|---|
第1段階 | 非オピオイド | アセトアミノフェンなど |
第2段階 | 弱オピオイド+非オピオイド | トラマドールなど |
第3段階 | 強オピオイド+非オピオイド | モルヒネ、オキシコドンなど |
🧠補足ポイント
レスキュー薬の使い方:定期薬だけでなく、痛みが増した時の対応が鍵
副作用対策:便秘・眠気・吐き気への予防的アプローチも重要
貼付薬や持続皮下注の選択肢:患者さんのQOLに合わせて調整
4. 看護師としてのかかわり
薬を出すのは医師ですが、「患者の痛みの訴えに最初に耳を傾けるのは看護師」。
以下のようなポイントに注目して関わることが大切と学びました。
・表情・仕草・体位など非言語的サインの観察
・痛みに対する患者の思いを聴く
・ご家族への説明や共有
・痛み日誌の活用支援
5. 発語困難な患者さんの痛みをどう評価する?
勉強会では、「痛い」と言えない患者さんへの評価についても深く学びました。
認知症の進行や終末期、人工呼吸管理中など、言葉で訴えられないケースは少なくありません。
そんなときに活用できるのが、観察に基づく疼痛評価ツールです。
✅ 使用される主なツール
Abbey Pain Scale(アビー・ペイン・スケール)
👉 認知症高齢者の痛み評価に適したツール
CPOT(Critical-Care Pain Observation Tool)
👉ICUなどで使われる、表情・体動・筋緊張などから判断
FLACCスケール(Face, Legs, Activity, Cry, Consolability)
👉小児向けに開発されたが、成人の発語困難者にも応用可能
👀 観察ポイント
・顔のしかめ具合や眉間のしわ
・筋肉のこわばり、引っかき動作
・呼吸パターンの変化や頻回な体位変換
・表情の変化、うめき声、泣くなどの行動
・落ち着かなさや不穏状態の有無
🧩実践的なアドバイス
疼痛評価ツールをルーチン化することで、チームでの共有がしやすくなります。
「変化に気づく力」が鍵👉いつもとの違いを感じたら、それは看護師にしかわからない“初期サイン”かもしれません。
疼痛の記録・報告方法も共有しておくことで、医師や多職種との連携もスムーズになります。
まとめ
がん疼痛の評価とマネジメントは、“主観的な訴え”と“客観的な観察”の両方をバランスよく捉えることが大切です。
「痛い」と言える人だけでなく、言葉にできない苦しみにも寄り添える看護を、私たちは目指していきたいですね。
今日もゆるーりとね💕