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こんな方におすすめ
- 導尿の手順や根拠を体系的に理解し、安全・安楽な実施方法を学びたい看護学生
- 臨床で導尿を任される前に、手順・根拠・配慮点を整理して復習したい新人看護師
- 指導計画や評価用チェックリストを作成する際の参考資料を探している方
目次
看護技術習得に必要な3つの領域とは
看護師が新しい技術を身につけるときには、単に「やり方を覚える」だけでは不十分です。
教育理論では、学習の到達度を測る領域として認知領域・精神運動領域・情意領域の3つが使われます。
1. 認知領域(知識・理解)
看護技術を行うための理論的な知識を理解する領域です。
例:導尿の目的や禁忌、必要な解剖生理学、無菌操作の根拠など。
2. 精神運動領域(技術)
実際に手や身体を使って行う技能の習得です。
例:適切な体位をとる、外尿道口を正しく消毒する、カテーテルを安全に挿入するなど。
3. 情意領域(態度・価値観)
患者に接する際の思いやりや配慮の姿勢です。
例:羞恥心や苦痛への配慮、優しい声かけ、プライバシー保護など。
この3つの領域は、別々に存在するのではなく、互いに関連し合って技術習得を支えるものです。
看護教育では、この3領域をバランスよく学習できる指導計画を立てることが大切です。
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看護技術の習得に欠かせない3領域 ― そこにある看護の醍醐味
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導尿技術を例にした3領域の評価方法
私が看護教員養成講習会で作成した指導案をもとに、導尿の学習に必要な3領域の評価方法を整理します。
領域 目標 主な評価方法
領域 | 目標 | 主な評価方法 |
---|---|---|
認知領域(知識・理解) | 導尿の目的・禁忌・必要な解剖生理・無菌操作の根拠を説明できる | 事前・事後テスト(多肢選択・穴埋め)/口頭質問/演習中の発言 |
精神運動領域(技術) | 安全・安楽に無菌操作で導尿を行える | 技術チェックリスト/演習後の振り返りレポート/実技試験 |
情意領域(態度・配慮) | プライバシー保護・羞恥心の配慮・適切な声かけができる | 観察記録/演習時の行動評価/振り返りレポート |
導尿チェックリスト作成の流れ
導尿は、感染予防・患者の安楽・迅速な手技が求められる高リスク技術です。
チェックリストは、「何を」「どの順で」「どのように」行うかを可視化し、技術習得を助けるツールとなります。
1. 目標設定
単元目標
・安全・安楽な基本的導尿の技術を習得する
・科学的根拠にもとづいた基本的導尿の知識を修得する
・患者への配慮や思いやりのある行動がとれるようになる
2. 行動目標の設定(3領域ごと)
・精神運動領域:安楽な体位で実施、外尿道口の適切な消毒、無菌操作の徹底
・認知領域:導尿の目的・禁忌・必要な構造、観察項目を説明できる
・情意領域:プライバシー保護、不安軽減の声かけ、相手を尊重した言葉遣い
3. 評価項目の分解
・手順ごとに評価ポイントを細分化し、「できた/できない」だけでなく配慮や根拠も評価する。
4. 評価方法の明確化
・例:滅菌手袋を正しく装着できたか(精神運動領域)
・例:尿道感染防止の根拠を説明できたか(認知領域)
・例:羞恥心に配慮した声かけをしたか(情意領域)
導尿チェックリスト(3領域対応)
評価項目 | 評価の視点 | 関連領域 |
---|---|---|
Ⅰ. 導尿の目的が言える | 尿閉・残尿測定・検査・処置前準備など目的を説明できる | 認知 |
Ⅱ. 危険性と防止方法が言える | 粘膜損傷や尿路感染の危険性と、その予防策(滅菌操作・消毒法など)を説明できる | 認知 |
Ⅲ. 必要物品の準備 | ワゴン清拭、滅菌トレイに物品を正しくセットできる | 精神運動 |
必要物品の名称と用途を説明できる | 認知 | |
準備時に患者へ声かけ・プライバシー配慮 | 情意 | |
Ⅳ. 環境と体位の整え | 室温・保温への配慮、安楽な体位を保持 | 精神運動 |
「導尿」の説明を患者にわかりやすく行う | 情意 | |
体位の理由(解剖学的根拠)を説明できる | 認知 | |
Ⅴ. プライバシー保護 | カーテン・スクリーンを正しく使用、露出を最小限にする | 情意 |
Ⅵ. 滅菌操作の実施 | 滅菌手袋の正しい装着、物品配置の無菌保持 | 精神運動 |
無菌操作の必要性を説明できる | 認知 | |
Ⅶ. 挿入部位の消毒 | 性別に応じた正しい消毒方法を実施 | 精神運動 |
消毒前後の声かけや羞恥心配慮 | 情意 | |
Ⅷ. カテーテル挿入 | 性別に応じた正しい挿入方法(長さ・角度)で行う | 精神運動 |
苦痛や不安の観察・声かけ | 情意 | |
挿入方法の根拠を説明できる | 認知 | |
Ⅸ. 尿の観察 | 尿量・色・性状の観察と記録 | 認知 |
Ⅹ. カテーテル抜去 | 感染防止に配慮し静かに抜去 | 精神運動 |
患者に安心感を与える声かけ | 情意 | |
Ⅺ. 陰部清拭と衣服整理 | 前から後ろへの清拭、衣服・寝具を整える | 精神運動 |
羞恥心や安楽に配慮 | 情意 | |
Ⅻ. 後片付け | 廃棄物分別・器具洗浄・手洗い | 精神運動 |
実施根拠を説明できる | 認知 | |
ⅩⅢ. 実施後の観察 | バイタルサイン・表情・疼痛などの観察を行い記録できる | 認知・情意 |
活用のポイント
・教育現場では、この表を学生用と評価者用に分けて使うことで、自己評価・相互評価・教員評価の3視点を確保できます。
・臨床現場では、新人看護師の技術評価や復職支援の研修にも有効です。
・各項目に配点や達成基準を加えれば、実技試験の採点表としても使用可能です。
まとめ
看護技術は「手順通りできる」だけでなく、なぜそうするのか(認知)、どう安全に行うか(精神運動)、どう患者の気持ちに寄り添うか(情意)の3つが揃って初めて成り立ちます。
チェックリストは、この3領域を統合して評価できる重要なツールです。
導尿のような繊細で感染リスクの高い手技こそ、根拠に基づいた安全・安楽な実施が求められます。
今日もゆるーりとね💕