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ゆるーりすと のぴまゆです。
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こんな方におすすめ
- 緩和ケア・終末期看護に携わる看護師
- 患者さんから「早く死にたい」「お迎えに来てほしい」と言われ、どう返したらよいか悩んだ経験のある看護師
- 夜勤で終末期患者さんの不眠や不安、痛みに向き合っている看護師
- 家族の看取りを経験している、あるいはこれから経験する可能性のある方
早くお迎えにきてほしい・・その言葉を、私は何度も聞いてきた
日経メディカルの廣橋猛先生の記事を読んで、この言葉が心に残りました。

がんばらないで生きる がんになった緩和ケア医が伝える「40歳からの健康の考え方」
そして同時に、私は緩和ケア病棟で出会った患者さんたちの顔を思い出していました。
なぜなら、似たような言葉を私は何度も聞いてきたからです。
「もう十分生きたよ」
「早くお迎えに来てくれたらいいのに」
「お父さんのところに早く行きたい」
そんなふうに話される患者さんは、決して珍しくありませんでした。

昼間は「大丈夫」と言っていても
今回の記事で、とても印象に残ったことがあります。
昼間は「大丈夫です」と穏やかに答えていた患者さんが、深夜になると、
「あと何度寝たら、お迎えが来るのかな」
と話したことです。
これ、本当にあるんですよね。
昼間の病棟は、人が動いています。
看護師が来る。
医師が来る。
食事が来る。
家族が面会に来る。
テレビを見たり、誰かと話したりする。
ところが消灯すると、そのにぎわいが一気になくなります。
静かな病室で、自分の身体と向き合う時間が始まります。

痛い。
息苦しい。
眠れない。
そして考えてしまう。
「この先、私はどうなるんだろう」
「あとどれくらい生きるんだろう」
「家族は大丈夫だろうか」
夜って、患者さんにとって、とても長い時間なのだと思います。

「お迎えに来てほしい」の向こう側にあるもの
緩和ケア病棟で働いていた頃、
「早くお迎えに来てほしい」
という言葉を何度も聞きました。
中には、
「早くお父さんのところに行きたい」
と話す方もいました。
長年連れ添った夫を先に亡くしている患者さんでした。
そんなとき、私たちに何が言えるでしょう。
「そんなこと言わないでください」
でしょうか。
「まだまだ頑張らないと」
でしょうか。
私は、必ずしも励ます必要はないと思っています。
もちろん、その言葉の背景に強い抑うつや耐え難い苦痛がないかを見極めることは必要です。
でも、人生の最終段階にいる人が語る「お迎え」という言葉には、その人なりの死生観や、人生を生き切ってきた思い、大切な人への思慕が込められていることもあります。
だから、すぐに否定するのではなく、
「お父さんに会いたいんですね」
と、その言葉の向こう側にある気持ちを聞いてみる。
それだけでいいときもあるのです。

緩和ケアをポジティブに変える本 つらさを抱える患者にできることはもっとある

でも「寄り添う」だけでは足りないこともある
ここは看護師として、とても大事なところだと思っています。
患者さんの思いに寄り添う。
もちろん大切です。
でも、患者さんが眠れない理由が痛みだったら?
呼吸苦だったら?
身体のつらさが強くて、夜になるのが怖いのだとしたら?
私たちは「お気持ちを聞きました」だけで終わってはいけません。
痛みを評価する。
呼吸苦を評価する。
薬が効いている時間を確認する。
レスキュー薬は適切に使えているのか。
夜間に症状が強くなるのであれば、薬の量や投与時間を見直せないか。
医師や薬剤師と相談する。

どう診る!? がん性疼痛: 二刀流の緩和ケア医が教える、病院でも在宅でも使える緩和医療薬処方のコツ (いますぐ役立つ がん患者症状カンファレンス)
そして、
少しでも苦痛なく眠れる夜をつくる。
これもまた、患者さんに寄り添うということなのだと思います。

「眠れる」ことは、とても大きな意味を持つ
がん疼痛治療では、夜間の睡眠を確保できることは重要な目標の一つとして考えられてきました。
これは緩和ケアの現場にいると、とてもよく分かります。
眠れるということは、単に「睡眠時間が確保できた」という話ではありません。
痛みや苦しさから、しばらく解放される時間でもあるからです。
逆に、
痛くて眠れない。
息苦しくて眠れない。
不安で眠れない。
そんな状態で過ごす一晩は、本当に長い。
時計を見る。
まだ1時。
また時計を見る。
まだ2時。
朝まで、あと何時間あるんだろう。
患者さんにとって夜は、私たちが想像している以上に長いのかもしれません。
だから私は、
「夜、眠れていますか?」
という問いは、とても大切だと思っています。
「痛みはありませんか?」
だけでは見えないものが、この一言から見えてくることがあります。

夜勤看護師だから見える患者さんの姿がある
そして今回の記事を読んで、改めて感じたことがあります。
患者さんの夜を一番知っているのは、夜勤の看護師かもしれない。
昼間は笑っていた患者さんが、夜になると何度もナースコールを押す。
「眠れない」と訴える。
巡視に行くと、目を開けたまま天井を見ている。
そして、ふっと本音を漏らす。
「もう早く逝きたい」
「お迎えはまだかな」
そんな言葉を聞くことがあります。
その言葉を、
「また言っている」
で終わらせない。
なぜ今夜、その言葉が出たのだろう。
痛いのか。
苦しいのか。
眠れないのか。
不安なのか。
寂しいのか。
それとも、本当に人生を振り返り、死について静かに語っているのか。
そこを考えるのが看護なのだと思います。
そして夜勤者が知った患者さんの姿を、朝になったら日勤者へつなぐ。
医師へつなぐ。
必要なら薬剤調整やケアにつなぐ。
夜に拾った小さな言葉を、昼の医療につなげていく。
それも看護師の大切な役割です。

正解の言葉なんて、なくてもいい
「あと何度寝たら、お迎えが来るのかな」
もし患者さんからそう言われたら、何と返しますか。
長く看護師をしてきても、私は「これが正解」という言葉を持っていません。
たぶん、正解なんてないのでしょう。
ただ、
否定しない。
無理に励まさない。
その人の言葉を、その人の言葉として受け止める。
そして、身体的な苦痛が隠れていないかをきちんと見る。
必要な治療やケアにつなげる。
そうやって、その人が少しでも穏やかに夜を越えられるようにする。
それでいいのではないでしょうか。
私たち看護師がすべての苦しみを取り除くことはできません。
人生の最期に感じる寂しさまで、薬で消すこともできません。
それでも、
「この夜を一人で過ごさなくていいですよ」
ということは伝えられるのかもしれません。
そして願うのです。
今夜も患者さんが、少しでも苦痛なく眠れますように。
長い夜を越えて、穏やかな朝を迎えられますように。

緩和ケア医師ががん患者になってわかった 「生きる」ためのがんとの付き合い方

今日もゆるーりとね💕





