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看護師の申し送り・入院調整をAIが代行?厚労省「AIエージェント」実証試験に現役看護師長が思うこと

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  • AI・生成AIに興味のある看護師
  • 看護師長・主任など看護管理に携わっている方
  • 申し送りや看護記録の負担を感じている方
  • 人手不足に悩む医療従事者

ついにここまで来た!看護師の仕事に「AIエージェント」

先日、こんなニュースを読みました。

「看護師の引き継ぎ・入院患者の調整は『自律型AI』で代行、厚労省が実証試験へ…医療現場の人手不足に対応」

この記事を読んで、私が最初に思ったのは、

「ついに来たか」

でした。

でも、その次に思ったのは、

「というか、もっと早く着手してほしかった!」

です。

私は看護師として長く現場で働き、現在は神経難病病棟で看護師長をしています。

そして今、管理する側になって改めて感じているのが、

看護師は「看護以外の仕事」にあまりにも多くの時間を使っている

ということです。

今回のAIエージェント導入のニュースは、そんな看護現場を大きく変える可能性があるのではないかと感じました。

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厚労省が「AIエージェント」の実証試験へ

報道によると、厚生労働省は来年度から、AIが自律的に業務を行う「AIエージェント」を医療機関に導入するための実証試験に乗り出すとのこと。

想定されている業務には、

  • 日勤・夜勤看護師間の引き継ぎ事項の記録作成
  • 入院患者を受け入れる病棟の調整
  • 患者数や重症度などを踏まえた看護職員配置の提案
  • 退院患者の診療記録作成
  • 関連部署への連絡や提案

などが挙げられています。

これを読んで、

「そこ!そこなんですよ!」

と思った看護師さん、看護管理者さんは少なくないのではないでしょうか。

看護師の「申し送り」はAIと相性がいいと思う

例えば申し送り。

電子カルテには、すでに患者さんの情報がたくさん蓄積されています。

バイタルサイン、検査結果、医師の指示、投薬内容、看護記録、食事摂取量、排泄状況、転倒リスクなど。

それなのに勤務交代のたびに、人間がカルテを読み直して必要な情報を拾い、

「この患者さんは昨日こうで……」

「今日ここが変わって……」

と、もう一度まとめ直して申し送る。

もちろん、看護師同士だからこそ伝えられる微妙なニュアンスはあります。

患者さんの表情や言葉、いつもと違う雰囲気。

「なんとなく今日は気になる」

そんな看護師の感覚まで、すべてAIに任せられるとは私は思っていません。

でも、

カルテに存在する情報を拾い、整理し、次の勤務者に必要な情報としてまとめる。

ここはAIがかなり力を発揮できる領域ではないでしょうか。

AIが申し送りの「たたき台」を作り、最後に看護師が確認して必要な情報を加える。

それだけでも、かなりの時間短縮になると思います。

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そして看護師長として気になったのが「職員配置」

今回の記事で、私が特に「これはぜひ実現してほしい」と思ったのが、

AIによる看護職員配置の提案

です。

患者さんの人数、年齢、病状や重症度。

そこに看護師の経験年数、スキル、夜勤体制などの情報を組み合わせ、最適な職員配置をAIが提案するというものです。

これは看護管理者として、本当に興味があります。

勤務表ひとつをとっても、

「人数がそろえばいい」

という単純な話ではありません。

新人ばかりにならないようにする。

経験者を配置する。

夜勤のできるスタッフを確保する。

患者さんの重症度を考える。

それぞれのスタッフの勤務状況や休みも考える。

そして、スタッフの生活や希望だってできるだけ大切にしたい。

数字だけでは解けない巨大なパズルです。

だからこそ、AIにすべてを決めてもらうのではなく、

「この条件なら、この配置が安全性や負担のバランスから適しています」

と候補を出してもらえたら、管理者の負担はずいぶん違うと思います。

最終判断は人間がする。

でも、判断するための材料をAIに整理してもらう。

私は、この使い方にはかなり期待しています。

入院調整こそAIの力を借りたい

病院で働いた経験がある人なら分かると思いますが、入院患者さんの受け入れも簡単ではありません。

「ベッドが一つ空いているから、そこへ入院」

とはいかないからです。

患者さんの疾患、重症度、ADL、認知機能、医療処置の内容。

病棟側の患者構成。

その日の看護師数。

スタッフの経験やスキル。

様々な条件を考えて判断する必要があります。

こうした複数の条件を同時に整理することは、まさにAIが得意とするところではないでしょうか。

もちろん、

AIが「この病棟へ入院」と決めて終わり

では困ります。

AIの提案を参考にしながら、最終的には患者さんの安全と病棟の状況を理解している人間が判断する。

そんな仕組みになればいいと思います。

AIに看護師の仕事を奪われる?

こういうニュースが出ると、

「そのうち看護師もAIに仕事を奪われるのでは?」

という話が必ず出てきます。

でも私は、少し違う見方をしています。

AIに奪ってほしい仕事は、むしろある。

何度も同じ情報を転記する。

カルテの中から必要な情報を探す。

記録をまとめる。

データを集計する。

連絡先を確認して関係部署へ連絡する。

勤務配置を何度も組み直す。

こうした仕事をAIが担ってくれるのであれば、私は大歓迎です。

だって私たち看護師が本当に時間を使いたい相手は、

パソコンではなく患者さんだから。

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AIが増えるほど「人間にしかできない看護」が見えてくる

患者さんの手を握ること。

不安そうな表情に気づくこと。

「大丈夫ですよ」と声をかけること。

食事が進まない患者さんに、

「今日は何なら食べられそうですか?」

と尋ねること。

家族の迷いを聞くこと。

人生の最期を迎える患者さんのそばにいること。

そして、言葉にならない患者さんの思いを想像すること。

こうした時間こそ、看護師が大切にしたい時間ではないでしょうか。

AI導入の目的が「看護師を減らすこと」だけになってしまったら、私は残念に思います。

そうではなく、

AIに任せられる仕事をAIに任せ、人間にしかできない看護に人間が戻る。

そのためのAIであってほしいと思っています。

ただし、AIに「丸投げ」はできない

もちろん課題もあります。

医療情報は非常にセンシティブな個人情報です。

セキュリティはどうするのか。

AIが間違った情報をまとめた場合、誰が確認するのか。

AIが提案した職員配置によって事故が起きた場合、責任はどこにあるのか。

そして何より、

AIが出した答えを「正しい」と思い込まないこと。

ここは医療現場にAIを導入するうえで、とても重要だと思います。

AIを使う人間側にも、AIリテラシーが求められる時代になるでしょう。

看護師にも「AIを使える力」が必要になる

私は以前から、ブログ作成や情報整理などで生成AIを活用しています。

使っているからこそ思います。

AIは魔法ではありません。

間違えることもあります。

こちらの指示によって答えが大きく変わることもあります。

だから、

AIを使うことと、AIに任せきることは全く違う。

これから看護師に求められるのは、

「AIを使うか、使わないか」

ではなく、

「どの仕事をAIに任せ、どこから人間が判断するのか」

を考えられる力なのかもしれません。

もっと早く進めてほしかった。でも、ここからに期待したい

看護師不足は、もう「これから起こる問題」ではありません。

現場ではすでに起きています。

人が足りない。

でも患者さんはいる。

安全は守らなければならない。

記録もしなければならない。

スタッフも休ませなければならない。

そして看護の質も落とせない。

これを「看護師がもっと頑張ればいい」で乗り切る時代には、もう限界が来ていると思います。

だから今回のニュースを読んで、

「ついに来たか」

と思うと同時に、

「もっと早く本気で取り組んでほしかった」

とも感じました。

それでも、始まることには大きな意味があります。

AIが看護師の代わりになる未来ではなく、

AIがいるから、看護師がもっと患者さんのそばにいられる未来。

私は、そんな医療現場になってほしいと思います。

そして数年後、

「昔は申し送り資料を全部自分たちで作っていたんだよ」

「勤務配置も師長が一人で何時間も考えていたんだよ」

なんて若い看護師に話したら、

「えっ、全部人間がやってたんですか?」

と驚かれる日が来るのかもしれませんね。

そんな未来なら、私はちょっと楽しみです。

今日もゆるーりとね💕

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  • この記事を書いた人

のぴまゆ

看護師歴37年、現役看護師長。看護学校での教員経験6年を経て、現在は看護研究や国家試験対策、終末期・緩和ケアの教育支援に情熱を注いでいます。54歳で一念発起し、働きながら看護学の学士を取得。25冊のKindle出版実績を持つ『伝えるプロ』でもあります。4人の子の母、4人の孫の祖母としての顔も持ち、多忙な日々の中でも理想のキャリアを掴み取る方法を、あなたの隣で全力で応援します!

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