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「苦情を受けたらまず謝罪」は正解?看護師長が考える患者・家族への毅然とした対応

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  • 患者・家族対応に悩む看護師
  • 苦情対応を任される看護師長・主任、退院支援や多職種連携に携わる看護師、ケアマネジャー、介護職
  • 理不尽な要求への対応に悩んでいる医療・介護従事者

 

患者さんやご家族から苦情を受けたとき、あなたはどうしていますか?

「申し訳ありませんでした」

まず謝る。

私も長い間、それが正しい対応だと思ってきました。

もちろん、こちらに非があるのであれば謝罪は必要です。

でも最近、

「苦情を受けたら、とにかく最初に謝る」

それだけが正解ではないのかもしれない。

そんなことを考えさせられる記事を読みました。

日経メディカルの
「苦情を受けたらまず謝罪、ではない対応を学びたい」
という記事です。

ベテランケアマネの対応がすごかった

記事で紹介されていたのは、サービス担当者会議での出来事でした。

利用者さんから、

「このヘルパーは気に入らない」

「運転が荒いから担当を変えてほしい」

「毎回同じことを確認されるのが面倒」

「新しい人には来てほしくない」

など、スタッフに対する不満や要求が次々と出てきます。

こんな場面、医療や介護に携わっている人なら、ちょっと胃のあたりがキュッとなるのではないでしょうか。

そこでベテランのケアマネジャーがどう対応したのか。

私はとても興味深く読みました。

すぐに謝らない。

かといって、利用者さんを否定するわけでもない。

まずは、

「なぜスタッフがそのような行動をしたのか」

その背景を説明する。

改善できることについては、

「こちらから伝えてみます」

と対応する。

しかし、できないことについては、

「そこはご理解ください」

と、きちんと線を引くのです。

これ、簡単そうに見えて、ものすごく難しいと思います。

「話を聞く」と「要求をすべて受け入れる」は違う

医療や介護の世界では、

「患者さんの気持ちに寄り添う」

「利用者さんの思いを尊重する」

という言葉をよく使います。

もちろん、とても大切なことです。

でも私は、

相手を尊重することと、相手の要求をすべて受け入れることは違う

と思っています。

「嫌だったんですね」

「不安だったんですね」

「そう感じられたんですね」

そこまでは受け止める。

でも、その次です。

本当にこちらに改善すべき問題があったのか。

安全上必要な行為だったのか。

スタッフ個人の問題なのか。

それとも、サービス提供上どうしても避けられないことなのか。

そこを冷静に整理する必要があります。

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看護の現場にも、まったく同じことがある

病院でもありますよね。

「あの看護師は嫌だから担当を替えてほしい」

「何度も名前を確認しないでほしい」

「昨日の看護師はやってくれた」

「すぐ来てほしいのに、ナースコールを押しても待たされた」

もちろん、中には私たちが真摯に受け止め、改善しなければならない苦情もあります。

一方で、

患者安全のために必要な確認だったり、

限られた人数で複数の患者さんを看護しているため、どうしてもすぐには対応できなかったり、

特定のスタッフだけが担当し続けることができなかったりすることもあります。

そんなときまで、

「申し訳ありません。今後そのようなことがないようにします」

と言ってしまったらどうでしょう。

できない約束をしてしまうことになります。

そして、その約束のしわ寄せを受けるのは現場のスタッフです。

師長になって感じる「スタッフを守る」という仕事

これは管理する立場になって、以前より強く感じるようになりました。

患者さんやご家族の声を大切にする。

これは当然です。

でも同時に、

私はスタッフも守らなければならない。

何か苦情があったとき、

「患者さんがそう言っているんだから、あなたが悪かったんじゃない?」

で終わらせてはいけないと思っています。

まず、何があったのかを確認する。

スタッフ側の話も聞く。

患者さん側の思いも聞く。

そして事実を整理する。

改善すべきところがあれば改善する。

でも、安全のために必要だったことや、スタッフに非がないことまで謝罪させる必要はない。

場合によっては管理者が前に出て、

「そこについては病院として、この対応が必要です」

と説明することも必要でしょう。

患者さんを守ることと、スタッフを守ること。

どちらか一方ではなく、両方を守る。

管理者にはそんな調整力が求められるのだと思います。

ケアマネジャーは「究極の調整役」なのかもしれない

実は私もケアマネジャーの資格を持っています。

だから今回の記事を読んで、ケアマネジャーという仕事について改めて考えさせられました。

ケアマネジャーは単にケアプランを作る人ではありません。

本人。

家族。

訪問看護師。

ヘルパー。

医師。

リハビリ職。

施設スタッフ。

それぞれ立場も違えば、考えていることも違う。

時には意見がぶつかります。

その真ん中に立って、

「本人はこう思っている」

「家族にはこんな事情がある」

「でも、このサービスにはここまでしかできない」

と整理していく。

まさに調整役です。

そして病院では、その役割を看護師が担う場面も少なくありません。

退院支援や退院時カンファレンスなどは、その典型ではないでしょうか。

患者さん・ご家族の希望を聞きながら、医師、看護師、リハビリ、MSW、ケアマネジャー、訪問看護、施設などをつないでいく。

看護師にも、かなり高度な「調整力」が求められていると思います。

苦情対応で必要なのは「謝る力」だけではない

苦情を受けたとき、

反射的に

「申し訳ありません」

と言ってしまう。

そのほうが、その場は早く収まるかもしれません。

でも、本当の意味で信頼関係を築くことにつながるのでしょうか。

必要なのは、

感情を受け止めること。

事実を確認すること。

改善すべきところは改善すること。

そして、

できないことには、できないと丁寧に伝えること。

なのだと思います。

謝罪するか、突っぱねるか。

その二択ではないんですよね。

その間には、

「お気持ちは分かります。ただ、安全のためにこの確認は必要なんです」

という対応もある。

この「ただ」の先を、角を立てずに伝えられる人。

それが本当にコミュニケーション能力の高い人なのかもしれません。

私もまだまだ学びたい

今回の記事に登場したベテランのケアマネジャーの対応を読んで、

「こんなふうに言えたらいいな」

と思いました。

相手を否定しない。

スタッフも悪者にしない。

でも、言うべきことは言う。

そして全体をいいところに着地させる。

これはマニュアルを一冊読んだからできるものではなく、たくさんの人と関わりながら身につけていく力なのでしょう。

看護師として。

ケアマネ資格を持つ者として。

そして今は管理者として。

私もこの「調整する力」を、まだまだ磨いていきたいと思います。

患者さんに寄り添うことと、何でも受け入れることは違う。

そして、

スタッフを守ることと、スタッフの問題をかばうことも違う。

その間にある細い道を探していく。

もしかすると、それが医療や介護における「調整力」なのかもしれません。

今日もゆるーりとね💕

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  • この記事を書いた人

のぴまゆ

看護師歴37年、現役看護師長。看護学校での教員経験6年を経て、現在は看護研究や国家試験対策、終末期・緩和ケアの教育支援に情熱を注いでいます。54歳で一念発起し、働きながら看護学の学士を取得。25冊のKindle出版実績を持つ『伝えるプロ』でもあります。4人の子の母、4人の孫の祖母としての顔も持ち、多忙な日々の中でも理想のキャリアを掴み取る方法を、あなたの隣で全力で応援します!

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