「逆パワハラ」が看護現場で急増！管理職を追い詰める新たなハラスメントとは？

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1. はじめに～あなたの職場は大丈夫⁉

近年、看護の現場では「パワーハラスメント」が社会問題として認識されるようになり、労働環境の改善が求められています。
しかし、そのために新たな問題として「逆パワーハラスメント」が増えています。
一般職（スタッフ）から管理職へのハラスメントが注目されるようになり、多くの管理者が悩んでいる現状があります。

パワーハラスメントの定義と法律の背景

2020年6月1日、「労働暫定の総合的な推進及び労働者の雇用の安定及び職業生活の等充実に関する法律」（以下、「労働暫定総合推進法」）の改正により、個別に「パワハラ防止法」が施行されました（中小企業では2022年4月1日から適用）。

この法律では、「パワーハラスメント」という言葉自体は条文には含まれておらず、雇用管理上の措置として「職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題」を防ぐことが義務付けられています。

2. 逆パワーハラスメントとは？一般的なパワーハラスメントとの違い

パワーハラスメントとは、職場における優越的な関係を背景とした言動で、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより労働者配慮環境が害されることを言います。
つまり、パワーハラスメントは上司が部下にするものを考えがちですが、最近では「逆パワーハラスメント」が問題になっています。

・所属長の指示を無視、または露骨に否定する
・正当な指導を「パワーハラスメント」と言って、業務を妨害する
・管理職に対する陰口や中傷などで孤立させる行動
・集団でトップに圧力をかけ、管理者を退職に追い込む

3. 厚生労働省の見解と「逆パワーハラスメント」の具体例

厚生労働省が定めた「事業主が職場における優越的な関係を背景とした適切な措置等についての指針（令和２年厚生労働告示第５号）」では、次のように定義されている。

職場におけるパワーハラスメントとは、

この中では、パワーハラスメントは「上司から部下への行為」だけではなく、「同僚や部下からの行為」も同様に相当し得ると認定されています。

・部下が業務遂行上必要な知識やスキルを持ち、それを盾に管理職の指示を拒否する
・集団で管理職を孤立させ、組織運営を妨害する

このような行為も「逆パワーハラスメント」として認識され始めています。

4. もしかして逆パワーハラスメントが増えている⁉

今度は逆パワーハラスメントが増えている背景を考えてみましょう。

①「優位な立場＝悪」という過剰な認識

社会全体で「権力や立場が上の人は悪者だ」という考える風潮があります。
昔はそうであったかもしれませんが、特に中間管理職ではその立場が逆転するということも出てきています。

②「ハラスメントは受け手に決める」という風潮

「被害者が加害者だと感じたら問題である」という考え方が広まったことで、部下が管理職に対して「指導＝加害者」と過敏に反応するケースが増加しています。
しかしながら、実際には、厚生労働省による「パワーハラスメント」の定義には、職員の主観を考慮するような文言は入っていません。

③モンスター社員の増加

モンスター社員は、「ハラスメント」の意味を独自解釈し、注意指導をする上司を「パワハラですよ！」などと責め立てることで、充分な注意指導ができない環境を作り出しているのです。
一部の職員が「パワーハラスメント防止法」を盾にし、所属長の指示を拒否すると、それを「容認」し続けることで職場の波風が立たないようにしているケースもあります。

④スタッフ側の「被害者意識」

スタッフの一部は、過去に経験した経験や周囲の影響から、管理職を「敵」と見てしまう傾向があります。

5. 逆恨みに悩む管理職の声

・注意すると「パワーハラスメントだ」と言われる
・管理職の指示が無視される
・管理職を孤独にする「グループ形成」をする。複数の職員が結託し、管理職を無視したり、意図的に情報を伝えないなどの行為が発生。

6. 管理職が取るべき対策と職場全体の改善策

① 記録を残す

パワーハラスメントが発生した場合、日時・状況・発言内容を記録しておくことが重要です。

② 相談窓口を活用する

企業のコンプライアンス部門や労働組合に相談し、客観的な意見を求めます。

③適正な指導基準を明確に

「どこまでが指導で、どこからが大丈夫なのか？」を職場全体で共有し、パワーハラスメントを防ぎます。

④コミュニケーションの強化

管理職とスタッフの間で「ハラスメント」について話し合う機会を作ることで、お互いの気づきを得ることも大切です。

7. まとめ～健全な職場環境を作るために

パワーハラスメント防止の機運が高まる中、新たな課題として「逆パワーハラスメント」が問題視されるようになりました。

「パワーハラスメントは認められない」だけでなく、「逆パワーハラスメントも認められない」という認識を職場全体で共有し、公平で働きやすい環境を目指すことが求められています。

ただ、単に「パワーハラスメント対策」だけでなく、管理職を守るための「逆パワーハラスメント対策」も重要な課題となると思われます。

今日もゆるーりとね💕