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こんな方におすすめ
- 緩和ケアにかかわる看護師・医療従事者
- 看護の質向上や継続教育の一環としてデスカンファレンスを導入したいと考えている方
- 緩和ケア領域の実際の現場の声や取り組みに興味がある学生
- グリーフケアに興味のある方
目次
はじめに
「デスカンファレンス」という言葉をご存じですか?
緩和ケア病棟で週に一度、亡くなった患者さんのケアを振り返るこの時間は、実は看護師にとっても心を整理し、学びを得る貴重な場となっています。
今回は、実際の研究結果をもとに、デスカンファレンスの有用性と、そこで語られる看護師の苦悩や葛藤をお伝えします。
1. デスカンファレンスとは何か
デスカンファレンスとは、患者さんが亡くなられた後に、看護師や医師、ソーシャルワーカー、薬剤師、栄養士、リハビリスタッフなど多職種で集まり、ケアを振り返る場です。
プライマリーナースが中心となり、患者さんの人生や病状経過、家族との関係性、提供したケアなどを共有し、今後のケアに生かしていくことを目的としています。
それだけでなく、医療者自身のグリーフケア(喪の作業)としての役割も果たしています。
2.デスカンファレンスの効果と看護師の苦悩
緩和ケアに関わる看護師たちは、患者さんの人生最期の時間に深く関わる中で、
「本当にこれでよかったのか…」
「もっとできることがあったのではないか…」
という葛藤に直面します。
広瀬寛子氏は、デスカンファレンスの意義として、
「気持ちを共有し、支援の評価や反省を通じて、専門家としての自信を取り戻す」
「患者・家族への理解が深まり、今後のケアへつなげることができる」
と述べています(2010)。
まさに看護師にとっての“心の棚卸し”の場なのです。
3. 研究結果から見る有用性の分析
では実際に、デスカンファレンスではどのようなことが語られているのでしょうか?
以前私はデスカンファレンスの内容分析を行い学会発表した経験があります。
その研究で、デスカンファレンスの内容を次の8つのカテゴリーに分類しました。
《患者を生活者として理解する》
《疾病が及ぼす身体的精神的影響とその対応》
《患者家族の希望に沿った支援ができたと感じる》
《患者にとっての家族の重要性を知り、家族のケア参加を支援する》
《患者家族に対して苦慮しながら行ったケアと生じた疑問や心残り》
《患者や家族の生活史を把握する》
《経験を今後に生かすために必要なことを見出す》
《患者家族の希望が叶わなかった心残り》
なかでも最も多かったのは、「患者を生活者として理解する」でした。
食事や趣味、日常の言動など、患者さんの“その人らしさ”を振り返ることで、ケアの意味を再認識する時間となっていたのです。
4.実際に語られている看護師の声
「食べることが好きだった方が、最後にイチゴを食べたときの笑顔が忘れられない」
「認知症が進行しても、ご主人の声だけには反応していた」
こうした語りの中で、看護師は患者さんの生きた証を言葉にし、記憶として残していきます。
しかしその一方で、
「もっと良い方法があったのではないか」
「あのとき告知していれば、患者さんの過ごし方が変わったかもしれない」
という後悔や葛藤も語られています。
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5.今後への提言:よりよいケアに活かすために
今回の研究から見えてきたことは、デスカンファレンスの“語る”という行為自体に意味があるという点です。
ただし、今後さらに質の高いカンファレンスを目指すためには、以下のような工夫が求められます。
・有効だったケア方法を具体的に記録として残す
・他の事例にも応用できるよう、工夫を共有する
・困難事例については多職種での連携体制を振り返る
・必要に応じて「テーマ型」のカンファレンスにする
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まとめ~デスカンファレンスがくれる希望と学び
デスカンファレンスは、ただの“反省会”ではありません。
医療者一人ひとりが経験を語り合い、学びを得て、次のケアにつなげるための大切な時間です。
「亡くなった患者さんのことを語る」ことは、看護師にとっても癒しであり、前を向く力になります。
デスカンファレンスを通して、私たちは日々のケアをより良いものへと育てていくのです。
今日もゆるーりとね💕