エキスパートナース 緩和ケア

【在宅ホスピスの真実】「医療が命にどう寄り添うか」を教えてくれた二ノ坂保喜先生の講演から学ぶこと

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  • 在宅医療・在宅ホスピスに関心がある医療従事者
  • 緩和ケア・終末期看護に関わる看護師
  • 地域包括ケアや多職種連携に課題を感じている方
  • 在宅ホスピスや地域ボランティアに興味がある一般の方やご家族

 

◆はじめに

前回の徳永進先生のご講演に続き、今回はもう一人の尊敬する医師、二ノ坂保喜先生の講演についてお伝えします。
テーマは「いのちを受け止める町づくり~在宅ホスピスのススメ~」。
実はこの講演は平成27年に開催されたもの。
それでも、今もなお、私の記憶に残り続け、ポートフォリオとして記録されていました。

この記事では、心に深く残った先生の言葉や、実際の事例を通して見えてきた、本当の多職種連携と在宅ケアの力を、ぜひ皆さんと共有したいと思います。

◆ 二ノ坂保喜先生とは?

長崎県出身。長崎大学医学部を卒業後、外科医として救急医療や地域医療に携わり、1996年に福岡市で「にのさかクリニック」を開業。
国際保健医療協力にも尽力され、現在はバングラデシュに看護学校をつくるプロジェクトにも取り組んでいらっしゃいます。
その功績から、第3回日本医師会赤ひげ大賞を受賞された先生です。

映画『赤ひげ』の一節を引用され、「医療は貧困や無知を越えることで、その力を最大限に発揮する」という理念を、現代の地域医療に体現しておられます。


在宅ホスピスのススメ―看取りの場を通したコミュニティの再生へ


在宅ホスピス物語-死と生に向き合うとき

◆ 「病院に帰る」のではなく、「家に帰る」という選択肢

先生が語られた二つのケースは、どちらも「病院から帰れない」とされた患者さんが、自宅で最期の時間を穏やかに過ごした事例でした。

ケース①:子宮横紋筋肉腫の女性

「家に帰れない」と言われた女性に対し、二ノ坂先生はこう伝えました。

「どんな状態でも、家に帰れないということはありません」

結果的にその女性は自宅で50日間を過ごし、家族と豊かな時間を紡いで旅立ちました。

特別なことはいらない。普段の暮らしを楽しみたいだけ
この言葉に、在宅ホスピスの本質が詰まっています。

ケース②:肝細胞がんの男性と「笑顔の法則」

新聞記者だった男性は、最期の夢であった同窓会出席を果たしました。
サポートしたのは、看護師であるお嫁さん。そして二ノ坂先生。

人は死にゆく力を持っている。家族は見送る力を持っている」という考えのもと、疼痛コントロールや体調管理が行われました。

同窓会に出席できたこの男性は、驚くほど回復し、家族とドライブにも出かけるまでに。
今が人生のゴールデンウィーク」と話し、感謝の気持ちから院内広報誌に文章を寄稿されました。

◆ 病気は「一部」であって「すべて」ではない

がんの英訳に関する話も印象的でした。
日本語で「私はがんだ」という言い方が、英語では「I am a cancer」と直訳されることへの違和感。

本当は「I have cancer(がんを抱えている)」が正しい。
病気はその人の一部でしかなく、人間そのものを規定するものではないという視点

私自身、日本難病看護学会で出会った若年性パーキンソン病の女性の講演を思い出しました。
彼女も「病気は私の一部」と気づき、前向きな生き方へ転換していったのです。

◆ 在宅ホスピスを支える「THP」という存在

講演の中で紹介されたTHPトータル・ヘルス・プランナー)は、在宅医療における司令塔のような存在です。

THPに必要とされる資質は以下のとおりです。

・キュアとケアをつなぐ役割
・全体像を見渡す視点
・医療・看護両方の知識と予測力
・介護力を見極め、家族を支える力
・患者の希望を引き出し、計画を調整する力

まさにコミュニティナースの理想像だと感じました。
私自身も、かつて「キュアとケアを結ぶ地域連携」の仕事に関わっていたことがあり、深く共感しました。

◆ 「顔の見える関係」では終わらせない

在宅療養を支える多職種連携には、「顔の見える関係」だけでは不十分と先生は話されます。
さらに一歩進めて、「意見が言い合える関係」へ、そして最終的には「尊敬し合える関係」へ。

これは、看護師が他職種と連携していく上で、調整役としての役割がいかに重要かを物語っています。

◆ まとめ:在宅ホスピスは“人生の仕上げ”を美しくする

病気が進行していても、不安が消え、笑顔が増えていく——。
これは在宅ホスピスだからこそ実現できる奇跡です。

患者の「ふつうの暮らしをしたい」という願い。
それを支える家族と医療者、そしてボランティアの力。

“その人らしさ”に寄り添うケアの在り方を、私たち看護師が広げていきたい。

そう強く感じた、心に残る講演でした。

◆追記

のぴまゆは研修や学会に行った所感をポートフォリオとして記録しています。
今後もわたしの看護観に影響をあたえた心に残った研修記録を皆さんと共有していこうと考えています。
この記録が、必要な人に届きますように。

今日もゆるーりとね💕

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  • この記事を書いた人

のぴまゆ

アラカンナースとして、豊かな看護師ライフを実現することを目指しています。 現役看護師であり、看護教員としての経験を活かし、看護の現場で培った知識やスキルを電子書籍を通じて発信しています。 私の目標は、自立を目指すナースや、看護師ライフをより充実させたい方々をサポートすること。 起業や副業に関する有益な情報を提供し、看護師としてのキャリアを広げるためのお手伝いをしています。 ゆる-りと、でも確実に、自分らしい生き方を実現しながら、周囲の人々とも幸せを共有する未来を手に入れたい方必見です。 ブログでは、看護師や看護学生さんに役立つ情報や、看護師ライフを豊かにするためのヒントを発信中です。

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