こんにちは。このブログの管理者
ゆるーりすと のぴまゆです。
このブログはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を利用しています。
それではゆるーりとご覧ください。
こんな方におすすめ
- 看護教育カリキュラムについて知りたい
- 基準カリキュラムと実践カリキュラムの違いについて知りたい
目次
はじめに
近年、医療技術の発展や患者の医療安全に対する意識の向上に伴い、看護師にはより高度な知識と実践力が求められています。
看護教育においても、社会のニーズに応えつつ、学生のレディネス(学習準備度)の差を考慮しながら、実践力のある看護師を育成する必要があります。
このために重要となるのが 「基準カリキュラム」と「実践カリキュラム」 です。
本記事では、両者の違いと、実践カリキュラムの意義・重要性について詳しく解説していきます。
1. 基準カリキュラムと実践カリキュラムの違い
基準カリキュラムとは?
基準カリキュラムは、 看護六法の指定規則の別表3 に示されている教育課程の基準です。
これは厚生労働省が定めたもので、 どのような看護師を社会に輩出すべきかという国家的な視点 から設計されています。
具体的には
・法的・行政的な意味を持つ
・全国の看護教育機関が最低限満たすべき基準 を示している
・社会のニーズを反映した教育内容 となっている
実践カリキュラムとは?
一方、実践カリキュラムは 各看護教育機関や教員が基準カリキュラムをもとに独自に構築するカリキュラム です。
特徴として
・各学校の教育方針に沿って自由に設計できる
・独自の授業内容を組み込める
・基準カリキュラムでは補えない実践的な学びを提供できる
つまり、 基準カリキュラムが「最低限の基準」 であるのに対し、 実践カリキュラムは「現場に即した教育を提供するためのもの」 であるといえます。
2. 実践カリキュラムを作成する意義と重要性
実践カリキュラムの作成には、 顕在カリキュラム(明文化されたカリキュラム) と 潜在カリキュラム(明文化されていない学び) の両面を考慮する必要があります。
潜在カリキュラムとは?
潜在カリキュラムには以下のような要素が含まれます。
・校風や伝統
・教員と学生の関係性
・学生同士の交流から得られる学び
これらは 看護の実践力を育む重要な要素 であり、 実践カリキュラムを設計する際にはこれらを十分に考慮する必要がある のです。
看護教育の現状と課題
厚生労働省の「看護教育の内容と方法に関する検討会報告書」(平成23年)では、以下のような課題が指摘されています。
・学生の生活体験の乏しさからくる自主性・自立性の低下
・個々の学生のレディネス(学習準備度)の格差
・カリキュラムが過密で学習時間が不足
・臨地実習の学習機会の確保が困難
・短期間の実習では技術習得が難しい
・思考プロセス重視により実践機会が減少
・学生・教員ともに余裕がない
これらの課題を踏まえると、 より柔軟な実践カリキュラムの構築が不可欠 であることがわかります。
3. 実践カリキュラムを効果的に構築するには?
① 教育理念と一貫性を持たせる
カリキュラムを構築する際には、以下の点を明確にする必要があります。
・建学理念
・教育理念
・教育目標
・卒業時の学生の特性と獲得する能力
これらを基盤に、 「何を教えたいか」「学生に何を学ばせるべきか」 を整理し、一貫性を持たせることが大切です。
② 学生の学びを最大限引き出す
教員は、以下の点を意識してカリキュラムを設計することが求められます。
・教えるべき内容を精査し、実践に直結する学びを提供する
・学生が「学びたい」と思える環境を整える
・理論と実践のバランスを考慮する
③ 社会の変化に適応できるカリキュラム作成
高齢化が進む日本では、 看護の対象が多様化し、求められるスキルも変化 しています。
そのため、実践カリキュラムは 社会のニーズに応じて常にアップデートしていく必要がある のです。
また、 教員自身のスキルアップも不可欠 です。
学生の実践力を高めるには、 教員が時代の変化に柔軟に対応し、新たな教育手法を取り入れること が求められます。
まとめ
現代の看護教育では、 基準カリキュラムだけでは不十分であり、実践カリキュラムの重要性がますます高まっています。
しかし、実践カリキュラムの設計には、学生のレディネス、社会のニーズ、教育現場の課題を総合的に考慮する必要があるため、教員の柔軟な思考が求められます。
最終的に、社会に貢献できる看護師を育成するためには、看護教育に関わるすべての人が協力し、より実践的で効果的なカリキュラムを構築することが不可欠です。
看護教育に携わる者として、「社会のニーズに応える看護師を育てる」ことを常に意識しながら、よりよい教育を提供していくことが求められます。
参考文献
・厚生労働省.「看護教育の内容と方法に関する検討会報告書」(平成23年2月28日)
・杉森みど里他. 『看護教育学』, 2012年第5版
・大条凌子他. 『看護大学における初年次教育』, 看護教育, 2009 MAY Vol.50 No.5
・山田聡子. 『臨地実習指導者の現状と課題』, 看護教育, 2013 JUL Vol.54 No.7
今日もゆるーりとね💕