こんにちは。このブログの管理者
ゆるーりすと のぴまゆです。
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こんな方におすすめ
- 緩和ケアに関わる医療従事者
- 「ACPって教科書には出てくるけど実際どう進めるの?」という疑問を持つ学生
- 看取りの場面や意思決定支援に悩みや迷いを抱えている人
- 地域や施設で働く看護師・介護職
- 「人生会議ってどう進めればいいの?」と考えている人
目次
はじめに
今回、私は徳島で開催された「日本緩和ケア医療学会2025」に参加してきました。
学会ではACP(Advance Care Planning:人生会議)や共同意思決定をテーマに多くの議論が交わされ、とても実りある学びの時間となりました。
そこで、この体験をブログで3部構成に分けてお届けしたいと思います。
【第1弾】学会本編レポート
👉 ACPと共同意思決定、会田薫子先生の特別講演を中心に。
【第2弾】市民公開講座レポート
👉 京都大学大学院 佐藤泰子先生による講演
「妖怪人間ベムは永遠に笑わない~生きる意味は間(あわい)に~」をテーマに新しい死生観・ACPの視点を紹介。
【番外編】徳島&宮島の旅レポート
👉 宮島夜景や徳島グルメなどリフレッシュ編。
ACPの基本概念とは?
まず確認しておきたいのが、ACPの基本概念です。
ACPは単なる「事前指示」や「一度きりの取り決め」ではなく、患者本人・家族・医療ケアチームが情報を共有し、合意を形成していく継続的なプロセスです。
清水哲郎氏が提唱する「情報共有ー合意モデル」では、
対話を重ねることで、患者の価値観や希望を理解し合い、最終的な医療やケアの方向性を決めていきます。
この枠組みを最初に押さえておくと、ACPがなぜ単純に「書面」や「自己決定」だけでは不十分なのかが見えてきます。
ACPの成り立ちと歴史
会田先生はACPの背景について、1970年代のアメリカから話を始められました。
・当時は医師がすべてを決めるパターナリズムが主流だった。
・そこから患者の自己決定権が重視される流れが生まれた。
・しかし自己決定にも課題があった。
・意思を伝えられない患者はどうするのか?「すべて自己責任」と切り捨てることは本当に患者のためになるのか?
この葛藤から生まれたのが、患者と医療者が共に考える共同意思決定(SDM: Shared Decision-Making)の概念です。
日本におけるACPの壁
日本でACPが広がりにくいのには、文化的な背景も大きく影響しています。
・言霊文化による「縁起でもないことは口にしない」という意識
・「話したらその通りになってしまう」という不安感
・ACPが「アドバンス・ディレクティブ(事前指示)」と混同されやすいこと
こうした要因から、日本ではACPが単純に外国のモデルのようには浸透しにくいという課題があります。
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アドバンスケアプランニング(ACP)って何?
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ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の普及と課題~令和4年意識調査の結果から~
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家族の役割:「代理決定」ではなく「代弁者」
看取りの場面では、医療者が家族に「決めてください」と委ねがちです。
しかし会田先生は「家族は代理決定者ではなく代弁者である」と強調されました。
つまり、家族の役割は「本人ならどう考えるか」を伝えること。
本人が語れなくなった時に、その思いを代わりに届ける存在であるということです。
医療者の関わり方とタイミング
家族を「代弁者」として支えるには、医療者の姿勢が問われます。
会田先生は次の点を示されました。
・倫理的感受性のアンテナを高く持つこと
・何気ない会話から、家族の心配や気がかりを拾い上げること
「ご家族はどうしたいか」ではなく、
「患者さんご本人はどうしてほしいと考えているでしょうか?」と問いかけること
ACPは一度の話し合いで成立するものではなく、日常のやり取りの中で少しずつ積み重なっていくものだと学びました。
まとめ:現場で活かせる学び
今回の講演を通して、ACPは「未来のために残す事前指示」ではなく、日常の対話から育まれる継続的なプロセスであると改めて実感しました。
そして、私たち医療者の役割は、患者の声を丁寧にくみ取り、家族がその声を代弁者として支えられるよう橋渡しをすることだと強く感じました。
この学びを、これからの緩和ケアの現場に活かしていきたいと思います。
次回は緩和ケア学会参加レポート第2弾として
京都大学大学院 人間・環境学研究科の佐藤泰子先生による
市民講座「妖怪人間ベムは永遠に笑わない~生きる意味は間(あわい)に~」のレポート。
とても印象に残ったので、所感と共にお伝えしたいと思います。
今日もゆるーりとね💕