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緩和ケア病棟のお盆
みなさん、お盆はどのように過ごされましたか。
入院設備のある病院では患者さんが24時間おられるので、看護師にお休みはありませんし、交替でお仕事しています。
お盆は日本ならではの風習で、公的病院はお盆休みなどとは無縁です。
ただ、個人病院やクリニックなどはお盆休みがあることが一般的ですね。
緩和ケア病棟においても、看護師は24時間交替で働いています。
一見、何の変化もないように思えますが、実はお盆の季節が近づくと、病棟の空気もどこか特別なものに変わる気がします。
がん終末期の特徴
緩和ケア病棟に入院している患者さんの病態には特徴的なものがあります。
以下が、がんと他の疾患との違いです。
- がんの初期は全般的機能は保たれるが、最期の1~2か月で機能が急速に低下する
- がんは自己増殖・浸潤し、原発巣や転移巣で増大し、臓器不全を引き起こす
- 疼痛が比較的早期から発生し、増強しながら長期に持続する
このように、がんというのはある一定期間は普通に過ごせるのですが、ある日を境に急激に病状が悪化するということがよくあります。
ですから「昨日は元気に話できていたのに、今日は眠ってばかりで話もできません」と家族が不安がられる場面にも、よく遭遇します。
そんな時、家族には看取りの時期が近づいているということを含め説明をしています。
お盆の時期に感じること
しかし、そんな経験を普段からしている私たちでも、このお盆という時期は特別です。
というのも、予測よりもかなり早く患者さんが亡くなられることが増えると感じることが多いからです。
ご家族にとって辛い時間である一方で、私たちにはどこか神秘的なものを感じざるをえません。
私たち看護師の間では、ご先祖様が患者さんを訪ねてきていらっしゃるのではないかと思っています。
そして患者さんは、亡くなった家族に「一緒にくるかね?」と尋ねられます。
そして、その問いかけに「一緒に行きたい」と答えた患者さんは、ご先祖様と一緒に旅立たれるのではないかという想像です。
がんの痛みから解放され「頑張ったね、もうゆっくりしていいよ。一人じゃないよ」と声をかけてもらっているのではないでしょうか。
寂しさを避けるために、一人で行くよりも、先に亡くなった大切な人と一緒に旅立つ方が安心できるのではないかと思います。
エンゼルケアとは
私たち看護師は患者さんが亡くなられた後エンゼルケアを行います。
エンゼルケアは、亡くなられた患者さんを清め、髪や顔を整え、衣装を着せる一連のケアを指します。
このケアを通じて、故人が安らかに旅立てるようにとの願いを込めて行います。
ご家族にとっても、エンゼルケアは愛する人との最後の別れを心穏やかに迎えるための大切なプロセスです。
エンゼルメイクは、故人が生前の美しい姿で安らかに見えるように、メイクや髪を整えることを指します。
口元や目元を優しく整え、微笑みを浮かべたような表情にすることで、ご家族が少しでも心の安らぎを感じられるように心がけています。
また、髪を整え、時には口紅を軽く塗ることで、生前の面影を残しつつ、故人が安らかに見えるよう努めます。
旅立ちの衣装は生前、患者さんが愛用していた洋服や着物、スーツなどを選択します。
その服を身にまとうことで、その人らしい気品が醸し出され、家族もまた故人を尊む気持ちが一層増します。
きっと亡くなられた患者さん自身も喜んでくださっているのではと、感じながらケアに携わっています。
グリーフケアとしてのお盆
どんな状況であっても、やはり、大切な家族が旅立つときは大きな悲しみに打ちひしがれます。
それでも、このように考えると、残されたご家族も少しは慰められるかもしれません。
お盆の時期に旅立った方が、向こうで先に亡くなった家族と再会し、寂しくないと思えることで悲しみや和らぐこともあるのではないでしょうか。
お盆の意味を知ることで、喪失の悲しみが少しでも和らげられることを願っています。
日本のお盆の知識
お盆は、日本の仏教行事の一つで、ご先祖様の霊が帰ってくるとされています。
一般的に、7月または8月の13日から16日にかけて行われる行事で、各家庭では精霊棚を作り、灯籠を灯してご先祖様を迎えます。
迎え火や送り火を焚き、ご先祖様の霊を導く風習も広く行われています。
お盆は、亡くなった人を偲び、現在の家族との絆を再確認する機会でもあります。
ご先祖様を迎え、感謝の気持ちを込めて過ごすことで、家族の絆をより一層深めることができるでしょう。
この時期に遠方の親戚が帰省したりするため、お盆期間に入院中は、面会人が増えます。
ずっと入院されている患者さんにとっては、会いたかった人に会えるという嬉しい時間になっているのかもしれません。
まとめ
お盆の時期、患者さんがご先祖様とともに安らかに旅立つ姿を想像しながら、私たちは患者さんの最期の時を見届けます。
ご家族にとっては辛い時期かもしれませんが、お盆という特別な時期に、ご先祖様に守られて旅立つことができるという思いが、グリーフケアにつながればと思います。
今日もゆるーりとね💕